ご挨拶

 このたび、日本遊戯療法学会第31回大会を鳴門教育大学で開催することとなりました。本学での開催は第10回大会以来で、22年ぶり二度目となります。

本大会のテーマは、「子どもの心の危機」です。「子どもは社会を映す鏡」という言葉のように、現代社会のありようは子どもの心に様々な影響を及ぼしています。情報・モノが次々生みだされて溢れ返り、それらがワンタッチで得られる現在、価値あるものを素早く、効率よく手に入れることが重視され、よくわからないものは敬遠され、時間のかかる過程は省かれる傾向にあります。

「コスパ」「タイパ」の優先は、子どもを育む営みにも影を落としているように思います。私たち大人は子育てに関する大量の情報から子どもの「問題」に囚われ、その解決へと急き立てられているようです。しかし「危機」は、それを乗り越えることで成長できる可能性を秘めています。現代の子どもやそれを取り巻く社会が抱える「心の危機」に、「遊び」やそれを媒介とする遊戯療法がいかに貢献できるかについて、参加者とともに考えていきたいと思います。

  大会の一日目は、学会シンポジウムと会員集会・研究発表を予定しています。二日目は、ワークショップ(教育講演)と公開基調講演、公開シンポジウムを予定しています。 鳴門教育大学は、徳島県鳴門市内の「高島(たかしま)」という島にあります。徳島阿波おどり空港から車で20分、高速バス「高速鳴門」バス停から車で10分、JR鳴門駅から車で10分ほどの距離です。とは言え、バスや鉄道の本数・タクシーの台数も限られていますので、空港・バス停・JR鳴門駅と会場とをつなぐ無料シャトルバスの利用もご検討ください。

鳴門市は人口5万人規模の小さな町ですが、風光明媚な景観や渡船など、他では得られない経験も味わえます。こうした環境もまた、本大会のテーマについて考えるきっかけになるかもしれません。ぜひ鳴門へ「遊び」にお越しください。

日本遊戯療法学会第31回大会準備委員長

川西 智也(鳴門教育大学)